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生産者の能力向上のための技術支援活動

生産者の力を引き出すフェアトレード

ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジが加盟するフェアトレードの世界的なネットワーク組織、WFTO(世界フェアトレード機関)では、フェアトレードの10の基準(ピープル・ツリーのウェブサイト)を定めています。そのなかには「生産者に仕事の機会を提供する」「生産者に公正な対価を支払う」などの項目があり、どれも大変重要ですが、ピープル・ツリーとグローバル・ヴィレッジは特に「生産者の資質の向上を目指す」という項目でも大きな役割を果たしています。

ピープル・ツリーのフェアトレード・パートナーシップは、長期的な関係を保ち、生産者パートナーの資質向上(キャパシティ・ビルディング)をはかるために必要な手助けをすることを土台としています。具体的には、デザインの提供や技術支援、経営能力の向上、品質とトレンドに関するワークショップの開催、生産者来日市場体験プログラム、目標の設定とフェアトレードのための資質向上などです。2年に一度実施しているソーシャル・レヴューでは、生産者パートナーの91%が「ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジによる資質向上のための活動に満足している」と回答しています。

2008年の来日プログラムに参加したKTS(ネパール)代表、キラン・カドゥギさんのコメント
「来日市場体験プログラムを通して、日本の市場やトレンド、品質に関する情報など多くのことを学びました。 ネパールに帰ってスタッフとミーティングを開き、日本の顧客のニーズや期待を伝え、共有しました。また、世界的な不況という困な状況のなかで私たちができること - 新しいデザインや原材料に挑戦しながら高い品質のものを生産することなど - を頑張ろう!とスタッフに伝えました」

バングラデシュの生産団体「アーティザン・ハット」の代表モンジュさんも、「最初は複雑なパターンに縫い方がわからず、ミシンの前で困惑していた生産者たちが辛抱強く取組み、商品化に成功しました。「ぼくたちの作った服がこんなファッション誌に載るなんて!!」とピープル・ツリーのデザイナーコレクションが掲載された『ヴォーグ ニッポン』誌を見て本当に誇らしげだったんだ」と嬉しそうに話してくれました。

技術向上の支援と公正な対価を受け取ることで、生産者は誇りと自尊心を得て働くことができます。また、ピープル・ツリー向け商品だけでなく、生産商品全体の品質が向上することで他のバイヤーからも高い評価を受けて発注を得ることが出来るようになり、より多くの人の雇用創出につながります。

アクション・バッグ (バングラデシュ/手工芸品生産者)のコメント
「商品開発と生産管理についてとても真剣に考えるようになりました。ピープル・ツリーからデザインや技術のアドバイスをもらい、この3年間で受注が45%増えました」

こうした現地生産者への直接的な技術・品質管理指導には、ピープル・ツリーの商品開発スタッフの人件費や、途上国のアクセスの悪い地域にある生産者団体への出張経費などがかかります。

この生産者の資質向上支援にかかる費用の一部をグローバル・ヴィレッジが「小規模生産者への技術支援」として助成していますが、その助成額はまだ必要額の3%程度にとどまっています。パートナー生産者団体が切実に必要としているのは、より多くの発注です。その期待にこたえるには、より多くの団体に技術面と団体運営に関する適切なキャパシティ・ビルディング支援を行っていく必要があります。グローバル・ヴィレッジ/ピープル・ツリーでは、この支援に今後さらに力を入れていきたいと考えています。

ピープル・ツリーの商品を手にとっていただいたら、ぜひどんな生産者が、どんな風に頑張って技術を身につけ、作った商品なのかということに思いを馳せてみてください。そしてピープル・ツリーでのお買い物やグローバル・ヴィレッジへのサポートを通して、生産者のさらなる能力向上を応援していただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

* 上記生産者団体の紹介はこちら(全てリンク先はピープル・ツリーのウェブサイト)
「KTS」「アーティザン・ハット」「アクション・バック」

*生産者への技術支援や来日市場体験プログラムなど、グローバル・ヴィレッジの活動への支援はこちらから。

バングラデシュの生産者団体「アクション・バッグ」

バングラデシュの生産者団体「アクション・バッグ」での品質向上ワークショップ。お客様から返品された商品を手に話し合う表情は真剣そのもの。

バングラデシュの生産者団体「アクション・バッグ」

アクション・バッグの商品の生産者。ミシンの技術もピープル・ツリーの商品開発スタッフが一人一人確認し指導。

バングラデシュの生産者団体「アクション・バッグ」

完成したリサイクル・サリーのバッグを手に、誇らしそう!

バングラデシュの生産者団体「アクション・バッグ」

バングラデシュで紙製品を手掛ける「ボノフル・ハンドメイド・ペーパー」での技術指導の様子。左がピープル・ツリーの商品開発スタッフ

小規模生産者への技術支援の例

ニュー・サドル(ネパール)
「ニュー・サドル」はハンセン病やポリオに苦しむ人びとを支援するために、さまざまな社会的活動を行うとともに、手織りや手工芸品づくりなどの収入向上プロジェクトを運営しています。また、障害を持つ人びとや性産業で働かざるをえない女性たちなど、差別に苦しむ人びとが社会に戻れるよう、家賃や子どもの養育費を補助したり、従業員の子どものための無料の教育を提供すると同時に、病院も運営しています。
「ダッカ織り商品が中心の生産者団体ですが、シンプルな形のバッグやマルチカバーなど四角い商品に限られていました。ピープル・ツリーの商品開発と技術指導によってブックカバー、ペンケース、ポーチなど小型の商品を生産できるようになり、より多くのお客様にダッカ織りをお届けすることができるようになりました。今後の現地訪問でも十分時間を取り、縫製改良のワークショップを 開く予定です。」
(ピープル・ツリー 商品開発マネージャー 土屋真由子)
ニュー・サドルで生産されたダッカ織りのポーチ、バッグなどはピープル・ツリーのオンライン・ショップにてご紹介しています。

子どもたち

子どもたちの生活も、親のフェアトレードによる収入やニュー・サドルのプロジェクトによって守られている

キシ・コープ(ケニア)
ケニア西部にあるキシ地方の職人たちの共同組合、「キシ・コープ」。この地域は20平方km以上にわたってソープストーンを含む岩盤が広がり、農耕に適しません。加工しやすいソープストーンは、伝統的に彫刻の材料として使われてきました。現在では、ソープストーン製品の生産は地域の貴重な現金収入手段となっています
「指示通りの梱包ができず、割れた状態で輸入されたり、納期遅れなども恒常的な問題でしたが、渡航費用などの壁もあり、なかなか現地指導の機会が作れませんでした。生産者団体を訪れる機会を得て、顔を合わせて話し、納期や梱包の重要性を伝えながら、彼らの抱える問題を聞き、解決策を一緒に考えました。今後のキシ・コープの商品に期待して下さい。」
(ピープル・ツリー 商品開発マネージャー 土屋真由子)
ニュー・サドルで生産されたアイテムはピープル・ツリーのオンライン・ショップにてご紹介しています。「ソープストーン」で検索してください。

継続的なパートナーシップによる支援と手仕事を大切にするフェアトレードでは、生産期間を通常より長く取り、商品のサンプリングなどは約1年前から開始します。販売商品の生産までにデザインや強度の改良など、品質向上のために根気強いやりとりが行われます。こうしてできた商品を、ぜひお手にとって、生産者のがんばりに思いをはせてください。

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打ち合わせ風景

技術指導だけでなく品質管理、輸入についても現地担当者と綿密な打ち合わせ