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コットンが危ない?

一般のコットンは、大量生産されるために農薬や化学肥料が多用される上、収穫時には枯葉剤、加工時にも化学薬品が使われ、まさに「薬品漬け」になっています。農薬や化学薬品は、環境を害するばかりでなく、生産者の人々や、製品を身に着ける人の健康も脅かします。
また、インドなどの途上国では、農家の人々が農薬や肥料や種子を企業から買うために借金を重ねる一方、収穫が伸び悩んだり害虫被害に遭って生活できなくなるという深刻な事態も起きています。本来、自らの手で肥料を作ったり害虫を取り除いたり翌年の作付けのために種を採取していた農家は、近代農業の推進によって企業への依存度を高め、自立の力を失いつつあるのです。

野放しの危険な染料と失われる伝統染色技術
1994年、ドイツで、「アゾ」系の染料に発癌性が疑われるとして、その染料を使用した製品の販売が法律で禁止されるようになりました。安全な繊維製品の規格を定める国際的な認証組織「エコテックス」の規格においても、アゾ系染料は規制されています。日本でも2000年4月から「エコテックス」の認証制度が始まりましたが、国による法律上の規制がないために、アゾ系染料で染色された衣料品は広く流通しており、消費者がその製品にアゾ系染料が使われたかどうかを知る術はありません。
伝統的な染色技術は、植物の葉や実、樹皮など自然の材料のみを使うため環境への負荷も低く人体への害も少ないものの、便利で安価な合成染料に取って代わられています。このままでは、何百年、何千年と伝えられてきた染色技術のノウハウが失われてしまうかもしれません。


グローバル・ヴィレッジの姉妹組織、フェアトレードカンパニー株式会社の事業を紹介する新聞記事。同社の売上が毎年40〜50%伸びていること、その理由として「フェア・トレード商品の商品価値や事業理念が消費者や取引先に理解されるようになった」ことなどを紹介している。


途上国の衣料品工場では、不適切な設備により排水が直接川に流されていることもある(インドにて)。

環境や人権よりも利益を優先させる既存のビジネスのあり方を変えようと、人権団体、環境団体などさまざまなNGOが、「企業行動規準」の導入や情報公開を企業に求めたり、基準が守られているかをモニターすることで、環境汚染や人権侵害を防ごうと行動しています。
一方で、環境や人権に配慮した生産を実現しながら、なおかつ事業として成り立つような新しいビジネスのあり方を探る「フェア・トレード」も注目を集めています。フェア・トレードは、途上国の農村に住む人々が、都会の工場での不安定な雇用に身を投じることなく地元で仕事を続けられるよう、人々が暮らしてゆけるだけの公正な賃金を支払い、継続的な発注を約束して地域の発展を支えます。また、農薬や化学肥料に頼らない昔ながらのオーガニック農法や草木染め技術の復活などを支援し、環境を害さない持続可能な生産を目指します。そして、製品を買う消費者が、その背景を知った上で選択できるよう、生産者や生産地についての情報を公開します。
フェア・トレード製品を選ぶ消費者が増え、ビジネスとして成り立つようになれば、フェア・トレードはグローバリゼーションによる弱者搾取という構造的な問題の解決に向けたひとつの社会運動になりうるのです。


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